本を読まない人にとっての「小説の謎」
本を読まない人から、こんな声を聞いたことはありませんか?
「小説って難しそう…」
「文字だけで、つまらなそう…」
特に中学生くらいだと、そう感じる人も多いかもしれません。
でも実は、小説って、ゲームやアニメと同じくらいワクワクできるんです!
小説を読む理由
私が思う小説の面白さは、これです。
「自分とは違う世界を知れる。
その世界に共感したり、自分に重ねたりして、世界が広がる。」
これが、小説を読む一番シンプルな理由。
さらに、文学の歴史を振り返ると、小説の面白さがもっと深く味わえるんです!
今回は、「近世文学」「近代文学」「現代文学」という3ステップで文学の歴史を紹介していきます。
近世文学(江戸時代の文学)
江戸時代(1603〜1868年)は、町人文化が花開き、多くの文学ジャンルが生まれました。
特に人気だったのはこの3つ!
- 勧善懲悪・教訓重視
- 滑稽・娯楽重視
- 恋愛・人情重視
それぞれ詳しく見ていきましょう。
勧善懲悪・教訓重視の作品
悪い奴をいい奴が倒してスカッと終わる!
そんな物語が大人気でした。
例:『南総里見八犬伝』
戦国時代を舞台に、八犬士たちが悪と戦う冒険活劇です。
正義の勝利を楽しみながら、忠義や誠実さを自然と学べました。
滑稽・娯楽重視の作品
ドタバタ劇や風刺で、庶民を笑わせるジャンルです。
例:『東海道中膝栗毛』
弥次さん喜多さんコンビが、旅先で次々と失敗!
笑って日々の疲れを吹き飛ばす、江戸の人気コメディでした。
恋愛・人情重視の作品
恋や情愛をたっぷり描くジャンルも愛されました。
例:浮世草子・人情本
恋の喜びや切なさ、家族への想い…。
身分制度に縛られた恋愛模様が、庶民の共感を呼びました。
※近世文学では、恋愛が「肉体関係中心」だった点も近代以降と大きな違い。興味があればぜひ調べてみてください!
近世文学のまとめ
江戸時代の小説は、教訓・笑い・涙が全部そろった、超エンタメ作品たちでした!
まとめると、
- 正義と悪の戦いでスカッと!
- ドタバタ劇で笑い転げ!
- 恋愛ドラマでほろり!
そんなバラエティ豊かな世界が、近世文学の魅力だったのです。
近代文学の登場と特徴
明治時代に入り、小説はガラリと変わります。
ポイントはここ!
- 型にはまった物語 → 個人の心を描く物語へ
- 勧善懲悪 → 心の葛藤・孤独へ
つまり、
「社会の型に合わせる」物語から、
「自分の心と向き合う」物語へ進化したんです!
比較表(ざっくり)
近世文学(江戸) | 近代文学(明治以降) | |
---|---|---|
主題 | 義理・人情・勧善懲悪 | 個人の内面・自由な恋愛 |
人物像 | 類型的・役割重視 | 個性的・葛藤重視 |
目的 | 娯楽と教訓 | 心のリアリズム・自己探求 |
近代文学の具体例
例:『舞姫』(森鷗外)
ドイツで出会った女性との恋を、国家への忠義心のために捨てる青年の葛藤を描いた物語。
例:『たけくらべ』(樋口一葉)
思春期の少年少女の淡い恋。
でも、貧しさや世間の壁が二人を引き裂いていきます。
近代文学では、「正義が勝つ!」だけじゃない、苦しくて答えのない物語が読めるのが魅力です。
現代文学とは?
昭和後期〜現代にかけて書かれた小説を、ざっくり「現代文学」と呼びます。
現代文学は一言で言うと、
自由で、多様で、答えがない。
- 社会問題や孤独をリアルに描く
- 現実と幻想を織り交ぜる
- 言葉遊びや実験的な表現も
- 正解を提示しない
という特徴があります!
現代文学の楽しみ方
① 多様なテーマを楽しもう
恋愛、家族、社会、SF、ファンタジー…
気分に合わせて選べるのが現代文学のいいところ!
② 答えを求めすぎない
読んで「これ、結局なんだったんだ?」と思ってもOK。
モヤモヤごと味わうのが醍醐味です!
③ 現代社会を感じる
今を生きる私たちの悩み、光と影。
現代文学はそれをリアルに映し出します。
現代文学の具体例と解説
『ノルウェイの森』(村上春樹)
若者の孤独と愛を静かに描く、心に深く残る小説。
『火花』(又吉直樹)
売れない芸人たちの葛藤。夢と現実の狭間でもがく姿が胸に刺さります。
『コンビニ人間』(村田沙耶香)
「普通とはなにか?」を問う、リアルでシュールな物語。
まとめ:現代文学は「今」を映す鏡
現代文学は、
私たちが生きる「今」の空気を映しています。
孤独や違和感、希望や温かさ──
誰もが感じたことのあるリアルな感情が、そこにはあります。
そして、
「正解がない」からこそ、
「自分だけの感じ方」ができる。
ぜひあなた自身の感性で、現代文学の世界を旅してみてください!
最後に
ここまで、小説と文学の歴史をざっくり振り返ってきました。
時代によって、「面白さ」の基準や流行は大きく違っていたことがわかります。
でも、現代を生きる私たちは、過去のスタイルに縛られる必要はありません。
むしろ、過去を知ることで、
- 新しいものの見方ができる
- これまでとの違いを感じ取れる
- どこが「新しい」「面白い」と思えるのか深く理解できる
そんなメリットがあります。
ぜひ、これから小説を読むときは、
「この作品はどんな面白さを基軸にしているんだろう?」
そんなふうに意識してみてください。
きっと、読書の楽しみがぐっと広がります!