SFやファンタジーの魅力とは?──近代文学から続く『共感』の世界

SFやファンタジーの魅力とは?──近代文学から続く『共感』の世界 小説

こんにちは!
ブログをご覧いただきありがとうございます。

先日、「小説ってなにが面白いの?本を読まない人にこそ伝えたい」という記事で、小説の歴史や、それぞれの時代ごとの面白さの流行についてご紹介しました。
(※まだ読んでいない方はこちらもぜひ!)

その記事の中で、特に「近代文学以降は個人の心のリアリズムを描くことが重視された」という話をしましたが、今日はそこからさらに一歩踏み込んで、現代文学の中でも私が特に好きなジャンル、SFやファンタジーについてお話ししたいと思います。


SFやファンタジーに感じる「共感」

さて、今回のお話です。

私は普段、現代文学を中心に読んでいますが、
その中でも特にSFやファンタジー作品が大好きです。

なぜなら、
「現実とはかけ離れた世界なのに、なぜか共感できてしまう」
そんな不思議な感覚が、たまらなく魅力的だからです。

SFもファンタジーも、現実とはかけ離れた世界を舞台にしています。
なのに、登場人物たちの悩みや喜びに、ふと自分を重ねてしまう──
この瞬間こそが、私にとって最大の魅力です。


ハードSFとソフトSF──二つの面白さ

SF作品は大きく分けて2つのタイプがあります。

  • ハードSF
    科学的なリアリティや論理性を重視するタイプ。
  • ソフトSF
    人間関係や感情の動きを中心に描くタイプ。

ハードSFは、いかにリアルに未知の世界を構築するかが面白さの鍵です。
一方、ソフトSFは、未知の世界を背景に、人間ドラマを深く描き出します。

ここで思い出していただきたいのが、前回の記事で紹介した近代文学の流れです。
近代文学では「個人の心のリアリズム」を描くことが重視されましたが、
ソフトSFも、まさにその延長線上にあると私は考えています。

ファンタジーも同様です。
非現実的な世界を舞台にしながら、登場人物たちの感情をリアルに描き出すことで、
私たち読者は不思議と共感し、心を動かされるのです。


面白さの「ものさし」を意識して読む

前回の記事でもお伝えしましたが、
小説を読むときには、こんな視点を持つことがとても大切です。

「この作品は、どんな面白さを軸にしているんだろう?」

ハードSFのように「設定を楽しむ」小説もあれば、
ソフトSFやファンタジーのように「感情に共感する」小説もあります。

一見似ているジャンルでも、
作品によって「面白さ」のものさしはまったく違います。

この「違い」に気づくことで、読書体験はぐっと豊かになります。

「こんな世界だったら、確かにこんな風に感じるんだろうな。」

そういった感覚を、自分自身で発見できたとき、
その作品はあなたにとってかけがえのない一冊になるでしょう。


まとめ

SFやファンタジーは、
「あり得ない世界」を舞台にしながら、
「あり得る感情」に私たちを誘ってくれます。

そして、共感できた瞬間、
私たちはその物語と、世界と、より深く繋がることができるのです。

これから小説を手に取るときは、
ぜひ「この作品は何を面白さの基準にしているのか?」という視点を持ってみてください。
きっと、新たな読書の楽しみが広がるはずです!

それでは、また次の記事でお会いしましょう!